No.005 : 音楽を”観る”(前編)/ヨシオカシンスケ

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「CD=音楽」、「DVD=映画」。そんなイメージ、ありませんか?それらと比べると、どうしてもお店の中で地味な存在に思えてしまうのが「音楽DVD」。しかし視覚と聴覚へ同時に訴えるその瑞々しさに、実は虜になっている方が多いのではないでしょうか。ヨシオカさんが紹介してくれた音楽DVDを見ていたら、音楽と映像の相性は私たちが思っている以上に抜群だということに気づかされました。
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ヨシオカシンスケ
千葉県出身。2002年よりデザイン事務所”moon graphica”を設立し、代表取締役兼デザイナーとしてウェブ・グラフィックを中心にクライアントワークをこなしている。
 
moon graphica inc.

木村彩人(以下A) – 今日はウェブデザイナーのヨシオカシンスケさんに来ていただきました!では恒例の自己紹介よろしくお願いします。

ヨシオカシンスケ(以下Y) – どうも、ヨシオカです。ウェブデザイナーはやり始めて8〜9年くらいかな。ちょっと恥ずかしいんだけど、当時の流行り映画で「悪者のインテリ」みたいな感じでハッカーとかが出てきて。それで意識するようになって、パソコン業界に行ってみようかなって(笑)

ワタベカズキ(以下K) – 珍しいですよね。そこでウェブのシステムの方じゃなくて、デザインですもんね。

Y – ちょうどそう思ったときって、インターネットを繋げることさえ一苦労な時代で。モデムが「ピーガガガガ」って鳴っているような(笑)ネットの何が面白いのかっていうのがわからなくて、見に来た友達にも「これは何をするものなの?」って聞かれる有様。でも、例えば某有名漫画家のウェブサイトの掲示板で「このあたりじゃ○○さんの漫画が売ってないんですけど、どこで売ってますか?」って質問したら、本人から返ってきたり。今みたいにユーザー数が多くなかったから、有名人でも自前でサイトを作ってて直接メールでやり取りできたりとか。そんな時代だった。

Underworld / Everything Everything

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K – 今日持ってきていただいたものは…?

Y – 今日は音楽DVDを持ってきたんだけど、音楽としてよりも映像作品と言うべきかな。ライブDVDってよくあるけど、流しっぱなしにしちゃったりするじゃない?あまり真剣に観るって感じではないんだけど、今日持ってきたのはどれも鑑賞に耐えられる。
一つ目はUnderworldの「Everything Everything」。これは1999年の映像なんだけど、まだこの頃って音楽DVDというジャンル自体が発展途上であまり良い作品がなかった時代。ビデオから映像をコピーしただけとかさ。その中でこれは相当にDVDを使い倒していて。そしてライブの選曲もUnderwolrdのベスト盤という感じ。CDとアレンジが違って、それぞれの曲のバージョンもかっこいいんだよね。

A – (再生しながら)この時代って例えば巷でユーロビートとかが流行ってた時代ですよね。その時代にこの音はやっぱり鮮烈だなあ。この頃にUnderworldのライブを生で見た人、本当に未来を感じたんじゃないかな。

K – 映像も音もかっこいい。5分くらいのPV作るのと、1、2時間のライブDVD作るのじゃ大変さが違うんだろうけど、この尺でこの密度は凄いですね。

Y – このDVDは何回観ても、内容知ってるのに笑顔になっちゃう(笑)俺の中ではUnderworldの「行きそうで行き切らない感じ」がとても良くて。今は2人なんだけど、この頃は3人で、ダレン・エマーソン (Darren Emerson)がいた最後の作品なのね。今となってはダレン・エマーソン、リック・スミス (Rick Smith)、カール・ハイド (Karl Hyde)の3人が並んでる姿も貴重なんじゃないかな。

ヴァルトビューネ2003 ガーシュイン・ナイト

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A – 2枚目はどちらから行きましょうか。

Y – ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の「ヴァルトビューネ2003 ガーシュイン・ナイト」を。これはね、ベルリンフィルと、盲目のジャズピアニストのマーカス・ロバーツ(Marcus Roberts)のトリオが共演して、ガーシュインの曲を演奏してて。このヴァルトビューネは「ピクニックコンサート」とも言われてるのね。ベルリンの壁が崩壊した年から、ベルリンフィルが野外で一般の人も楽しめるようなコンサートをやろうってことから始めて。(再生しながら)ロケーションも半端じゃないでしょこれ!

K – 凄いですね!会場が本当に森の中!

A – 日本だったら絶対にないシチュエーションですよね。

Y – しかもクラシックのコンサートなのにラフな感じで、みんなお弁当持ってきたりして、ピクニックシートを敷いてクラシックを聴けるっていう。で、このときは指揮者が小澤征爾。マーカス・ロバーツは小澤征爾とこの5年前くらいに音楽祭で知り合ったみたいなんだけど、そこで「凄い!」ってなって、それからちょくちょく共演してたみたいで、その集大成がこれなんだよね。この演奏も本当に凄いよ。西洋音楽の最高峰のベルリンフィルと、黒人音楽の最高峰を、東洋人の小澤征爾がまとめあげるっていうのが何か良いじゃない(笑)

K – ジャンルとか関係ないですよね。凄い人が集まったら、凄いことが出来る良い例だと思います。途中にジャズセッションを挟んでますけど、クラシックファンでも、このレベルのジャズを聴いたらそりゃ盛り上がる(笑)

(後編に続く)

2009.10.4 update

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