”すし処 さいしょ”のTwitter割引に見る、次世代ソーシャルメディア・マーケティング考察。
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最近はTwitterも、テレビや雑誌で取り上げられる機会が増えてきて、次世代のウェブ・サービスとして一般に認識されてきている感があります。ユーザー数も、日本ではアメリカ以上の比率で伸びており、2009年は世界で最もTwitterのユーザーが増えた国となりました。
そんな流れを汲んでのことでしょうか。このところ、「TwitterのFollower数に応じて料金を割引する」というサービスを行うお店が出てきました。確か最初にやったのは、高円寺のボードゲーム・ショップの「すごろくや」でした。Followerが多い人の発言は、それだけ多くの人が見るということですから、そこに「Follower1人=1円」という価値を付けたんですね。今のところ、後発のお店もそれを踏襲しています。
そんな中、本日(2010年2月4日)限定で大井町にある寿司屋「すし処 さいしょ」が同様にFollower数×1円の割引をするということで、開店直後に行ってきました。
17時の開店で社会人の方はまだ来れない時間帯ですから、Twitterユーザーでは一番乗りでした。新聞社の方が取材に来ていて、マスメディアでもTwitterへの注目度が高まっているのが感じられました。
食べたのは、盛り合わせのにぎり(竹)、穴子、つぶ貝、いくらです。会計は4910円のところがFollower数の2780円引きで、2310円でした。お寿司はどれも素晴らしく美味しかったですよ! 正直言うと、回ってないお寿司屋さんには数えるほどしか行ったことがないので、比較対象があまりないんですけどね。僕の舌には贅沢すぎるほど、美味しかったです。
Twitter割引は今後、普及するのか?

あくまで私感ですが、しばらくの間は試してみるお店がけっこうな数出てくるのではないかと思います。日本、特に東京近郊におけるTwitterのユーザー数は増加の一途をたどっていて、大きく話題になった場合の認知度の向上は目を見張るものがあります。
また、「友達に勧められる」という、ある意味では最も大きな効果を持つ広告に、日常的かつ主体的に触れる場であるTwitterは、消費意欲の増進に大きな効果があります。簡単に言えば、「天一なう。」というつぶやきを見たら、天下一品のラーメン(もちろん「こってり」)が食べたくなってしまうわけです。これは、天下一品の広告を街角や車内広告で見かけるより、大きな力を感じます。
近いうちに「Follower数×1円」ではない割引を適用するお店も出てくるのではないでしょうか。別に「Follower数×0.5円」でも良いわけですし、割引額に上限を設けても良いわけです。Twitterで話題になることの効果が強い業種もあれば、弱い業種もありますので、その辺りの設定はお店によって柔軟にすれば良いことだと思います。
問題点は今回のように一日限定(もしくは期間限定)にした場合に、割引実施日以外の集客がどうなるかでしょう。これは今後、様々な事例から傾向を見るしかありません。認知度がそのまま売り上げに直結するかは、何とも言えないところです。
また、Twitter割引をやるお店が増えるにしたがって、それがユーザーの間で日常化して「イベント感」がなくなってしまった場合は、話題になって認知度を上げるという、そもそもの目的が果たせない可能性もあります。今日はUstream中継の「ダダ漏れ」で有名なそらのさんをはじめ、Follower1万人以上の著名ユーザーが行ったことによって話題になっていますが、実施店舗が増えるにしたがって話題性も低くなっていくでしょう。そうなったときに、各店で特色を出すことが必要になってきます。
まとめ。
とにかく一度やってみればいいんじゃないでしょうか。
一度やってみれば、そのお店がTwitterでのキャンペーンに向いているのか否か、なんとなくわかると思います。向いていたら定期的に行えばいいし、向いていなかったらやめれば良いだけです。もしくは上記のように、割引額の調整などで最適解を探すのも良いでしょう。
それよりも大事なことは、そのキャンペーンが成功しようが失敗しようが、ユーザーとのコミュニケーションを疎かにしないことです。Twitterはあくまで個人対個人のコミュニケーションで成り立っているツールであり、その関係が個人対企業となってしまった瞬間に、関心を失われる傾向があります。相手に主体性が感じられなくなってしまうんですね。企業アカウントで成功している例(加ト吉、サブウェイなど)を見れば、おのずと答えは見えてきます。
一度のキャンペーンが失敗しようとも、その後も一人のTwitterユーザーとして「普通に楽しんでいれば」良いわけです。自然とFollowerの数も増えていくでしょうし、交流した人の中からお客さんになってくれる人も出てくるでしょう。
でもこれって、とても自然な「商い」の形だと思いませんか? 「ビジネス」と言うより、「商い」と言った方がしっくりくるような、人の存在を感じる仕組みです。僕はこちらの方が、好きです。
そしてこの形こそが、これからのソーシャルメディアにおける「商い」の基本になるのだと思います。大規模な広告戦略でモノを売るのとは違った、言わば「口コミの強化版」のような感じですね。多様化が進む社会の中で、情報源としてこちらに価値を見出す人も少なくはないはずです。
2010年はその辺りで、大きな変革が生まれる年になりそうです。今回のTwitter割引の例にしてみても、Follower数という一つのウェブサービスにおけるある数字が、円と等価値を持ったということになりますから。今後の展望が楽しみですね。
最後に。さいしょのお寿司は本当に絶品なので、ぜひ行ってみてください。Twitter割引やってなくても高すぎるということはありませんよ。僕もまた行きます!
店舗情報
電話番号 : 03-5709-0572
住所 : 東京都品川区大井4-13-14
アクセス : 大井町駅より徒歩10分弱
開店時間 : ランチタイム 12時〜14時、ディナータイム 17時〜23時
定休日 : 月曜日
2010.2.4 update