No.016 : 自分の体験したことを、多くの人と共有したい(後編)/江口晋太朗

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みなさんは、「社会」についてどのくらい考えていますか? 今回のゲストの江口さんは、世の中がどうしたら良くなるのか、本気で考え、行動している方です。最先端のツールを利用して積極的に情報を発信していく彼は、「自分の体験したことを、多くの人と共有したい」と語りました。ならばここで、愛用品もみなさんと共有していただきましょう。

(前編はこちら)

CHROME メッセンジャーバッグ

ワタベカズキ(以下K) – 次のお気に入りのもの、いってみましょうか。

江口晋太朗(以下E) – では、普段使っているバッグを。サンフランシスコ発祥のメーカー、CHROME(クローム)のメッセンジャーバッグです。日本でも、ここ数年メッセンジャーバッグが流行ってますよね。僕も買おうと思ったんですが、人とちょっと違ったのが欲しいなと思っていたんです。そんなときにあるお店で見つけて、気に入って即買しました。
このバッグの良いところですが、まずはベルトの着脱がシートベルトのような仕組みで出来ることです。わざわざ、頭を通して下ろす必要がないんですよね。このシートベルトのバックルが、CHROMEのロゴになっていて特徴的です。あとは、ベルトがもう1本あって3点で固定できるので、バッグが回って前に落ちてきてしまうことがありません。

K – この着脱の方式は良いですね。特にフード付きの服を着ているときは、頭を通して下ろすのが面倒ですから、とても楽だと思います。

E – 本当に楽ですね。あと、開けると中には間口が広いところと、小さいポケットがいくつもあるので、携帯や財布、小物を入れる場所に困らないんですよ。しかもバッグの内側は全て取り外して洗えるので、衛生面も完璧です。

K – 細かいところまで、考えて作られてますね。最近は、日本でもファッション的にメッセンジャーバッグが流行っていますが、あちらのプロ用のメッセンジャーバッグは機能性がずば抜けていると思います。それにしてもこのバッグ、かなり荷物入りますね…っていうか、かなり入ってますね(笑)

E – 僕けっこう、「とりあえず何でも入れとけ!」ってタイプなんですよ(笑) パソコン、本数冊、筆記具、コップ、あといろんな小物とか、とにかくなんでも入れて、毎日持ち歩くんです。入れておけばどこへでも行けるし、急いでても、とりあえずそのバッグさえ持っていけばOKなので。あと僕は自転車にも乗るので、それにも合うバッグが欲しかったんですね。

K – そう考えると、3点で固定できるのも大きな利点ですね。自転車に乗ってるときに、バッグが落ちてくるのは本当にストレスですから。

E – そうなんですよ。しかもベルトを短くすればするほど、腰より上、背中のあたりにバッグが上がるので、荷物がたくさん入ってても楽に背負えます。

K – 特に自転車に乗るときは前傾姿勢になりますから、背中に荷物が着ていると「背負う」というよりは、「載せる」感じになって楽なんですよね。これ、いくらくらいなんですか?

E – だいたい2万円ですね。大きさがS、M、L、LLとあって、これはLサイズですね。Lだと、普通に使うにはちょっと大きいですけど。大は小を兼ねるってことで、こっちにしました(笑)

K – この大きさから想像するに、Mサイズでも余裕でノートパソコン入りますよね。僕もちょうど自転車に乗るときのためにメッセンジャーバッグを探していたので、たぶんこれ買います(笑)

CHROME クローム メッセンジャーバッグ L Metropolis 【NB】

年代で切り取ったメディア

K – では最後に、先日オープンした84ism(ハチヨンイズム)のことについてお聞きしたいのですが。

E – 昨年の11月くらいに同い年の友人と飲んでいたときに、「もうすぐ25歳になるけど、成人式ってもう5年前なんだな」っていう内容の話をたまたましていたんですよ。そのときに、考えてみたら成人式で友達と話した会話の内容を、ほとんど覚えてないことに気付いたんです。大半の人にとって20歳って、高校を卒業して、大学生活を2年くらい経験したっていう感じなので、さほど変わりはないんですね。でも25歳になった今、大学を卒業して就職したり大学院に行っていたり、いろいろな進路に進んだ人がいて、もし今会ったら面白いんじゃないかっていう話になったんです。それがベースにあって、1984年生まれの僕たちってどういう世代なんだろうって考えるようになりました。

E – 世間では76(ナナロク)世代は起業家の集まりで、88(ハチハチ)世代以降はデジタルネイティブ…みたいな話がある中で、ハチヨン世代が取り残されているような感覚があって。でも、探せば同い年で面白い人がたくさんいるんですよね。そういう人の話を聞きたいなと。で、今の25歳は何を考えているのか、25年生きてきてどう思っていて、これからどう過ごしていくのか。そういう過去・現在・未来という軸で、1984年生まれの情報を発信したくて、84simを作りました。
最初のブレストの段階では、いつか本が書けたら良いねっていう話だったんですが、ウェブマガジンという形が面白いんじゃないかと。既存のウェブマガジンって、業界とか地域とかで区切ったものが多いんですが、年代で切り取ったものって他にないんですよね。

K – 業界や地域で区切ったものって、言ってみれば縦割りですよね。それに対して、年代で区切るのは横割りだ、と。

E – そうです。それを今25歳の僕たちがやることに、何か意味があるんじゃないかとずっと考えていて。そこでTEAM84(チームハチヨン)というコミュニティを運営しているシラサカに声をかけました。そして、そのチームハチヨンの忘年会をやったときにウェブマガジンの運営メンバーを募り、1ヶ月くらいの間で構想を練ったり、インタビューやコラムなどのコンテンツを作って、先日サイトを公開して今に至ります。
ウェブマガジンという性格上、ITやウェブ系の人が集まりやすいんですが、それにこだわらず多くの同年代を巻き込んでいこうと思っています。84ismの参加者は、たまたま同じ年に生まれたということしか共通項がないので、そこから生まれる多様性をできるだけ生かしたいんですよね。

K – 実は、84ismを初めて見たとき悔しかったんですよ。面白そうなのに、ハチロク世代の僕は関われないわけですから。関われないので、逆に今回江口さんをKALENOに呼んだわけです(笑)

E – そういうことですか(笑) 僕個人としては、インタビューは農業をしている人だったり、伝統工芸をしている人だったり、いろんな業界の人に出て欲しいんですよね。できるだけ、ITには縛りたくないんです。今どういう仕事をしているのか、そしてその仕事に至るまでの過程。あとは、今後どうしたいか。それらをベースにインタビューをしています。

“ハチヨン世代”とは?

K – ハチヨン世代って、具体的にはどういう世代なんでしょうか?

E – 社会情勢的に言えば、1985年にリリースされた、マイケル・ジャクソンらの”We Are The World”などを通じて、社会が貧困や格差を意識し始めた頃に生まれているんです。また、90年代に男女平等が謳われていていた頃に学校に通っていましたし、総合教育のプレ段階が僕らの世代で行われていました。ようは、バブルの崩壊、高度経済成長の終わりとともに絶対的な価値観が失われて、社会全体がその次を模索している黎明期に、青春を過ごした世代なんだと思います。
あとはテクノロジーで言えば、小学5年のときにWindows95が出て、インターネットの隆盛期や、携帯電話の普及などを体験してるんです。それらがちょうど普及していく過程で育っているので、人によってアナログ人間とデジタル人間が混在しているのが、ハチヨン世代と言えるかもしれません。

K – 特に後者で、僕たちハチロク世代とハチヨン世代の違いがよく出ていると思います。僕たちは高校生のときには携帯電話が当たり前で、大学時代にはmixiなどのSNSを半数以上が利用していました。デジタルネイティブの割合は、その間の2年で飛躍的に増えたと思います。

E – そういう意味では僕はずっとアナログ人間でした。でも、現在インターネットやITの最近の流れを勉強していく中で、どんなにソーシャルな活動などで良いことをやっても、人に知ってもらわないとそれは存在しないのと同じだ、と思うようになったんですね。情報がたくさん流れてくる現代だからこそ、良質なコンテンツを多くの人に知ってもらう機会をいかに作るかが、重要になってくるなと思いまして。そういう意味で、TwitterやSNSなど、ソーシャルメディアと言われるようなものの可能性を、僕は特に感じています。

K – 84ismを通じての、今後のビジョンは?

E – 自分と違った人の話を聞いて触発されると同時に、自分の生き方の再確認ができたらと思っています。あと単純に、同年代だからこそ生まれる仲間意識っていうのを、このサイトを通じて何か形にできたらいいですね。

K – 会った人がたまたま同い年だとテンション上がりますもんね(笑)

E – そう、それです(笑) あとは他の世代の人が84ismを見て、今の25歳はこんな人たちなんだっていうのを感じてもらえたらと思います。メインターゲットは同年代ですけど、そういう見せ方だったら、意外と幅広い世代を対象にできるコンテンツかなと。

K – 世代が切り口っていうのは、面白いですよね。安易な世代論は良くないですが、ポジティブに年代による差違をとらえれば、こういうコンテンツも作れるんだなあと思いました。

育ち続ける等身大ウェブマガジン

E – 世代論、例えば「ゆとり世代」なんかもそうですけど、あれって他の世代が一方的に言ってるだけなんですよね。インターネットの普及で相互の情報発信ができる世の中だからこそ、いわゆる社会的な世代論とは違う、当事者からの意見を発信することに意義があると思います。

K – 1984年生まれの人たちって今年は25歳ですけど、来年は26歳なわけじゃないですか。ようするに、短期的に見れば25歳のメディアだけど、長期的には様々な年代の情報を網羅していくんだなと。長くやることで、ハチヨン世代の人たちの成長に寄り添うようなメディアになり得るのかなと思いました。

E – そういう意味も込めて、「育ち続ける等身大ウェブマガジン」というタイトルを付けたんですよね。何年続くかわかりませんが、仮に5年続いたとしたら25歳から30歳までの間、僕らはどう生きて、どう過ごしていったのか。それをウェブマガジンを通じて発信できるわけですから。

K – その時々のハチヨン世代の人たちと、社会との関係性を見ていく感じですよね。84ism、60歳とかまでやったら凄いですよね(笑)

E – 凄いですね、それ(笑) 一応 、「ハチヨンって面白い人が多いよね」って言われるのが個人的な目標ですね。面白いことや変なことをしたときに「あの人、ハチヨンの人だからしょうがないよね」って言われたら嬉しいです(笑)

K – 「そんなの個人によって違うだろ」ってよく言うけど、育つ過程の社会状況だったり、環境だったりに影響されて、世代によって一定の特徴はあるんですよね。

E – それは絶対ありますよね。幼少期に何があったか、社会的なビッグイベントのときに何歳だったか、どこにいたのか、それらの違いによって、影響の受け方は全く変わってくるはずです。また、84ismは年代という切り口のウェブマガジンですが、僕自身の活動としては、逆に年代を越えた交流にも注目しています。シニアの方たちと、若者をくっつけたらどうなるのか。縦も横も壁をなくしてみて、みんなで何か考えてみようよ、という考えですね。

K – 何か面白い化学反応が起きそうですね。では最後になりますが、何かあればどうぞ。

E – このインタビューを見ている方で、面白いハチヨン世代の人を知っている方がいらっしゃいましたら、ぜひ紹介してください。こちらからぜひインタビューしたいと思います。自薦他薦は問いません(笑) 84ismの「お問い合わせ」か、もしくは僕に連絡をお願いします。

K – ついでにKALENOのインタビューも、自薦他薦問わず、募集してますのでぜひ(笑) 江口さん、今日はありがとうございました。

2010.3.12 update

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