No.002 : “かっこいい”ってなんだろう?/池田淳基

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“かっこいい”とは一体どういうことでしょうか?それを漠然と考えていたという池田君。今回のインタビューを通じて、彼はこの”かっこいい”という概念に対して、彼なりのある確信を持っていたように感じました。一体どういうものに触れて、それを得たのでしょうか。
特にお気に入りという2冊の本を披露してもらいながら、インタビューをしてみました。
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池田淳基
1986年生まれ。千葉県出身。明治大学を卒業後、都内印刷物関連会社にて勤務中。

木村彩人(以下A) – 今日は、僕の友人の池田淳基君に来ていただきました!

ワタベカズキ(以下K) – 以前登場してくれた長君とは高校の同級生なんだよね。ではさっそくですが自己紹介を。

池田淳基(以下I) – どうも、池田淳基です。地元の千葉に高校までいて、明治大学をこの前卒業して、今は紙の専門商社で働いてます。普段は趣味で写真を撮ってます。

A – 社会人一年生・・・大人の階段登ってる途中だ(笑)

I – そうそう。まだ紅白帽子のひもをしゃぶりながら、ランドセル背負ってる感じで(笑)

杉本博司 / HIROSHI SUGIMOTO

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K – さっそく本題ですが、今回持ってきてくれたのが・・・。

I – 写真家の杉本博司さんの「HIROSHI SUGIMOTO」です。雑誌にも出てたりで有名かな。今となっては恥ずかしい過去なんだけど、僕、高一くらいまで外見が凄くダサかったのよ。本気のオシャレコーデが、全身まだダサい頃のユニクロだったり。でも当時同級生だった長君は音楽も詳しいし、無駄にオシャレで(笑)その影響で、かっこいいって何なんだろうって漠然と考え出したのよ。当時は「整ってるもの」がかっこいいのかなって思ってて、そのときにこれに出会ったのね。それまでは「整ってるもの」って新しいとか人工的、完璧っていうイメージを持ってたんだけど、それに対して、これはただひたすら自然の海を写してるだけ。しかも調べると十数年かけて撮ってる。僕のかっこいい像はぶっ壊されたね。もう、コンクリート打ちっぱなしの綺麗な建物だけがカッコイイんじゃないんだって(笑)

A – ストイックだよね。杉本さんのこの写真は初めて本で見たけど、本当に全部が海(笑)

K – ページをめくってもめくっても海の写真(笑)

I – 一応後ろのページに他のもあるよ(笑)これは歴史上の偉人の蝋人形を作って、本物に見立てて撮影した作品。写真を見ればわかるけど、何かリアリティーがありすぎて気味悪いし、胸糞悪い気分にもなるのよね。例えば、このヘンリ8世の写真。彼が生きてた時代は写真なんてなかったから、実際にこんな写真が存在することはあり得ないんだよね。だけど、さもヘンリ8世自身が撮影されたように見えるの。しかもその佇まいとかオーラは、僕らが想像するヘンリ8世と同じような気がするんだ。コンセプトを基に作り込んでるってのはわかってても、何か変な気分にさせるのよ。もう何というか・・・かっこいい(笑)

K – これ蝋人形なんだ!全然わからないね。あ、昭和天皇もあるんだ。

A – 昭和天皇の時代は写真がデジタルじゃなかったから、普段なかなかこここまでクリアな写真はお目にかかれないけど、昔の人をこれくらいクリアに撮ると全然印象が違ってくるね。印象と実態のギャップが面白い。これが池田君流のかっこいいということか。

I – うん。結果的にいろんな作品に触れて思ったのは、人工物であれ、自然物であれ、「生っぽさ」を感じる作品がかっこいいんだなって。彼の作品が全て生っぽいわけじゃないけど、噛めば噛むほど味が出てくる作品が多いから、是非見てほしい!ビジュアルだけじゃなくて、彼の思想の背景を探っていくのも面白いんじゃないかな!

不自然が写っている

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A – 「絶対裸体」って書いてあるように見えるんだけど(笑)

K – BRUTUSの・・・1992年って僕たち6歳じゃないですか(笑)どこで手に入れたの?

I – BOOK OFFで(笑)さっきの杉本さんの写真を見て、生っぽいものってかっこいいんだなって思ったときに、じゃあ一番身近で生っぽいものって何なんだろうって考えて。その時に見つけて、あ、これだって。昔の雑誌はここまでやっていたのかっていう驚きもあって。最近はないよね。
男なら誰もがAVを見るじゃん?(笑)ある時にそれを見ててね、最近企画も女優も均質化してきてるように感じて。そしたら全然興奮しなくなっちゃったのよ。むしろ気持ち悪さを感じて。最近の雑誌のヌードとかを見ても、明るくて、こういう昔のBRUTUSみたいな毒々しさがない。身体なのに生々しくない、不自然が写っているなって。

A – 篠山紀信が最近Photo GRAPHICAでヌード100連発っていう企画をやっていたけど、ここまでじゃなくて、もっと健全だった。これはすごいなぁ。

I – 篠山紀信はコンビニで女性が裸になってる作品があるんだけど、僕にはなんだかポップすぎて。最近はかっこよさの方向性が、ある程度決まってきちゃってる感があるよね。

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K – 池田君がさっき言ってたような、均質化したAVを見た後にこれを見るとすごい新鮮だよなぁ。

I – たまにこういうものも見ないと感覚がおかしくなったり、麻痺しちゃうから、この特集との出会いは刺激的だったんだよね。

K – 今回のは新鮮だったね。裸体を初めて見たというわけでもないのに。ということで、今日は池田君に杉本博司の「HIROSHI SUGIMOTO」と、「絶対裸体」が特集の92年のBRUTUSを持ってきていただきました。面白かったんで、是非また何か持ってきてください(笑)

I – また持ってきます(笑)

2009.10.4 update

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